![インタビューを受ける森卓也選手](./articles/images/2024051001a.jpg)
ローイング(ボート競技)アスリートの森卓也選手は、当社脳波計ブレインプロを使ったバイオフィードバックトレーニングを取り入れています。森選手にバイオフィードバックトレーニングについて聞いてみました。
![森 卓也 選手](./articles/images/2024051001b.jpg)
パラローイング 森 卓也 選手
レース前は必ず緊張するものですが、バイオフィードバックトレーニングを始めてから、緊張の中でもパッと切り替えが効くようになりました。自分の脳波を見るまでは「自分は周りが気になる緊張しやすいタイプ」かと思っていたのですが、意外に安静状態の脳波が出ていることを知ったことも自信に繋がっているかもしれません。
また、客観性に裏付けされた集中ができるようになったと思います。
どんな競技でも相手がいますが、周りが見えれば見えるほど相手の動きに乱されてしまうようなことが当然あるわけです。
そこで、中から相手を見るだけではなく、外から自分を見ることができるようになったことで相手の動きに動揺せずに自分の動きをしっかりとできるようになったと感じています。具体的にいうと「他の選手が追い上げてきた時に、それにつられて自分も飛ばしすぎていないか?」とかいったことを一歩引いて考えられるようになりました。このように客観的に状況を把握することによって、無駄なものと本当に必要なものの優先順位が付けられるようになり、本当に必要なものに集中することができるようになったと思います。
![ボート練習中の森 卓也 選手](./articles/images/2024051001d.jpg)
このような余裕が出てきたのは、レース前の緊張する場面や、レース中の周りの動きに影響されそうな時にも「今の自分の脳波はどうなのだろう?」とイメージすることによって、一旦、外から自分を見る瞬間が増えてきていることにあると思います。
また、レース全体の組み立て方も変わってきたように思います。2000メートルのレースで10分ほどの時間ですが、ゴールに向かって早く向かう工程を頭の中でイメージとして組み立てられるようになり、また違った展開になった場合も組み立て直しができるようになってきたと思います。これも集中力が上がってきたことによると感じています。
![バイオフィードバックトレーニング中](./articles/images/2024051001c.jpg)
バイオフィードバックトレーニング中
今後のバイオフィードバックトレーニングの課題としては、今まではフィジカルトレーニング前後に10分程度、とにかく集中することにフォーカスして行っていましたが、これからは、もっと普段の生活のいろんなシチュエーションで脳波を測ってみたいと思います。いろんな状況に於ける自分の脳波の変化を観察することによって、より自分自身の客観視ができるようになり、本当に必要な物への集中力が増すのではないかと考えています。
アスリートの技術面や体力面の力が拮抗する中、他の選手もメンタル面の調整のために試合前に音楽を聴いたり様々な工夫をしている姿を目にします。私の場合はバイオフィードバックトレーニングによってメンタルの調整ができており、結果にも表れていると確信しています。
森 卓也 選手
(公団)日本ローイング協会
強化選手
医療法人 養和会
<成績> | |
2018年 | アジアパラ競技大会 陸上日本代表 砲丸投げ5位入賞 |
2023年 | アジアパラ競技大会 ローイング(シングルスカル)銅メダル |
砲丸投げ 日本記録保持者 |