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脳波バイオフィードバックトレーニングでイップス改善報告

yips

スポーツ界では突然、今までのプレーができなくなるイップス(yips)※1という症状が話題になっています。イップスは心理的な要因によるものと言われていますが、弊社脳波計のユーザーであるメンタルトレーナー「川西弘晃 氏」より脳波バイオフィードバックトレーニングによるイップス改善の報告がありましたのでご紹介します。

今回のご相談者は。大阪府内の強豪校 3 年生内野手、来年は野球推薦で某強豪大学への進学が内定している選手です。詳しく話を聞いてみると「選手としての期待度が上がるにつれ、複数の指導者から投げ方について指導を受けることが多くなり、それぞれ言うことが違うため正解か分からなくなり、急にコントロールが乱れ出し、しまいには投げること自体ができなくなってしまった。」とのことです。見かねた監督がイップスと判断し、知人のご紹介で私の元に相談に来ることになりました。

初日の脳波

初日の脳波

まずは、現状の脳波を測定した結果が右です。
θ波(まどろみ)が優勢ですが、投げられなくなったことが原因で進学も難しくなり希望を無くした結果、やる気を失って脳も「まどろみ」状態になっていると推察しました。次にα2 波(対象集中)が優勢になっています。元々、スポーツ選手に必要なα2波支配の傾向がありそうなので安心しました。適切なバイオフィードバックトレーニングとイップス改善プログラムを行えば必ず元通り投げられるようになると判断しました。


トレーニング後の脳波

トレーニング後の脳波

次は様々なトレーニングを行った後の脳波です。
全身運動しながら一点集中をすることによりα2(対象集中)の出現率及び継続性と脳電圧の上昇も確認できました。この頃には、5m離れてゴム製のボールでキャッチボールした結果、構えた的に狙って投げられるようになったので、野球部の通常の練習に復帰OKを出しました。また一点集中とイメージを湧かしてから投げる習慣作りが大切なので「自宅でも集中力トレーニング及び内的コントロールの調整を継続すること。日常生活における睡眠の質を高めること。」をアドバイスしました。


その後、嬉しい知らせがありました。本人から連絡があり「高校 3 年最後の夏の大会のベンチメンバーに選ばれました!」とのことです。彼のこれからの活躍に期待しています!


※1イップスとは何らかの心理的な要因で、思うように身体を動かすことができなくなる運動障害のことです。元々、プロゴルファーのトミー・アーマーがこの症状により引退を余儀なくされたことからスポーツ業界では広く知られるようになりました。突然、簡単なパターを打てなくなる、いつものように投球ができなくなるなど、スポーツの種類、プロアマを問わず発症のリスクがあり。今のところこれといった対処法が確定されていない症状のことです。


川西 弘晃氏

川西 弘晃氏


Aセンス 代表

川西 弘晃 氏

NATA-ATC 全米アスレチックトレーナーズ協会公認トレーナー
明治国際医療大学非常勤講師
桃山学院教育大学アスレチックトレーナー
鳥取県スキー連盟医科学委員会委員長

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