会場の様子
7月よりお台場で開催中の「忍者ってナンジャ!?」展に弊社の担当者が潜入してきました。(・・ちゃんと入場料は払いました。。)
夏休みということもあり、たくさんの子供たちで賑わっており(実際に潜入したのは8月です。)、更に、海外からのお客様も多く「NINJA」の国際的な知名度の高さに今更ながら驚きました。
■α波コントロールの術
忍者の「精神コントロール」のコーナーには、三重大学大学院医学系研究科教授、小森照久先生による研究成果が展示されています。(本実験では弊社脳波計ブレインプロライトFM-828をご活用いただいております。)
小森先生は精神科医で、専門は鬱病やストレスの研究です。先生はこれまでのストレス研究を踏まえ「忍者のオン(戦闘状態)とオフ(休憩モード)」というテーマで研究を行いました。なかでも、忍者の作法である「印」と「呼吸法」に着目して、実験を実施しました。(以下、小森先生の研究報告より抜粋。)
印による脳波の変化
■忍者ポ-ズの効果
「印」とは忍者が胸の前で手を組み合わせるおなじみのポーズです。脳波の測定実験を行ったところ、「印」を結んだ直後10分間ほどはアルファ波が増強し、リラックスと集中力が高まることが解りました。クレペリンテストの結果からもストレス耐性が高まることが確認されています。但し、時間が経過すると交感神経機能が高まり、リラックスの度合いは低くなりました。このとから、印の効果は直後の戦いに有用なものであって、ある程度は続くが、あまり長持ちしないと考えられます。
息長による脳波の変化
■忍者の呼吸法
忍者の呼吸法には「二重呼吸(ふたえこきゅう)」と「息長(おさなが)」があります。
前者は「吸う、吐く、吐く、吸う、吐く、吸う、吸う、吐く」というように、あるタイミングで「吸う」と「吐く」を二度重ねる呼吸法で、運動中の持久力向上の効果があります。これは現代でもマラソンに適した呼吸とされています。
後者はとにかく長く息を吐くという呼吸法で、呼吸を素早く整えることができます。この時の脳波を見ると、アルファ波に合わせシータ波も増加しています。「感覚が鋭敏になる」という実験中の証言や、実験データから、ただのリラックス効果ではなく、ある種の瞑想のような、精神統一の働きがあるのではないかと考えられます。このようなゆっくりとした呼吸も現代のストレスケアの手法として、推奨されています。
■忍者からの伝言
過酷な任務を遂行する忍者は、超人的な精神力が必要とされます。しかし、常にオンの状態で高い集中力を維持し続けられるはずがありません。「オンでいる」という状態は身体の各所に負担をかけ続けることになります。それは、パフォーマンスを発揮するどころか、様々な病気の原因になります。忍者はこのことを経験的に知っており、私たち現代人に、オフの時間も必要なことを、助言してくれているのかもしれません。
◎小森照久先生の研究の詳細は「忍者ってナンジャ!?公式ブック」に掲載されています。
◎小森照久先生のご研究には弊社、簡易脳波計ブレインプロ ライトが使用されています。
◎企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」は日本科学未来館(東京・お台場)にて2016年10月10日(月・祝)まで開催されています。