診療内科で脳波計を活用
ブレインプロ FM-929/パルラックスF PUL-F/リラクルー FM-100A
近藤 哲哉 氏
関西医療大学 付属診療所心療内科医師 教授 近藤 哲哉 氏
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心療内科というのは、患者や治療者の主観に頼ることが多い診療です。その中で、少しでも客観的指標に基づいて診療を行うことは、治療効果の判定や患者の治療意欲の向上に有効で不可欠です。客観的指標として用いているのは、心拍変動以外にBrain Proで記録した脳波です。このような指標は、診察室で何らかの治療として自律訓練またはリラクルーによる光フィードバックを行う前後で比較し、患者に呈示することで患者の治療意欲を高めることができます。

光フィードバックは脳波の調整を行う治療ですが、治療効果は意外にも、脳波ではなく、心拍変動の方に劇的に現れやすいという印象があります。その分、心拍変動はちょっとした刺激の影響を受けやすい水物で、脳波の方がその人の状態を頑強に表すということです。α波の周波数が低めで脳機能低下を認める場合、ある程度の強さの光でフィードバックしないと、周波数のピークが0.5Hz程度上昇しないという印象があります。 うつ病の治療をする機会も多いのですが、抗うつ薬への反応率は思ったほど高くないため、2剤や3剤の組み合わせに移行するだけでなく、光フィードバックの併用を導入にも頼ることが多いです。治療の手段が複数あることは、患者だけでなく治療者にとっても大変心強いです。 うつ病以外では、イライラを伴う耳鳴の患者で光フィードバックの効果を強く実感し、診察の度に要求されることがあります。イライラがあるからといってα波の周波数が高いわけでもなく、β波が出ているわけでもないところに、脳波の奥の深さを感じます。


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